愛ガ降る



大概くんから渡された切符をよくよく見ると、ちゃんと特急券で座席指定まで記してあった。



そこには行き先の地名も書いてあったが、あたしはそこが何処なのか全く心当たりがなかった。



しかし、今のあたしにはそんな事はどうでもよく、今日1日を存分に楽しもうという気持ちで頭がいっぱいであった。



お菓子を必要以上に買い込むと、電車に乗り込んだ。



座席の番号など見なくても、後ろ姿で大概くんを見つける事ができる。



大概くんは窓側の席を空けて座っていた。



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