愛ガ降る



窓から見える景色は徐々に緑が多くなってきた。



「そろそろ着くよ!」



大概くんはあたしが買ったお菓子を持ち席を立った。



「降りる駅の停車時間短いから、ドアまで行こう。」



そう言った大概くんはあたしの手を引いた。



停車して間もなく、本当にドアはすぐに閉まりあっという間に電車は去っていった。



降りた駅には、特に人が多いわけでもなく、これといって何かあるわけでもなかった。



何の目的があってここで降りたんだろう…そう考えているのが伝わったかのように大概くんが口を開いた。



< 108 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop