愛ガ降る
「ここ、俺の生まれ育った所なんだ…。」
…大概くんが生まれた所…。
「今日は、どうしてもあずのことを会わせたい人がいて。」
…会わせたい人って?
ちゃんとした格好もしていないのに…。
急に人と会うと知り戸惑っていると、すぐにバスが来てそのまま乗り込んだ。
電車の中とは違い、お互い無口になっていた。
大概くんは久しぶりに会うという人との再会を、心待ちにしているのがあからさまにわかるくらいウキウキとしていた。
15分ほどバスで走ったところで、大概くんは降車ボタンを押した。
それはとても予想出来ないような場所での降車であった。