愛ガ降る
「…お父さんが亡くなったって事は、大概くんお母さんと2人なの?」
「いや、あと3つ下の弟がいるよ。あずは?」
「あたしは下に小学生の妹が1人いて4人家族だよ。」
「…いつ転校したの?」
「父さんが死んですぐかな…?母さんが思い出が多すぎて耐えられないってね。」
「…大概くん…辛かったよね…。」
「まあ、それなりにね。だけど俺がしっかりしないとって思ってたから。」
「大概くんって、凄いね。」
「ははっ!あずはそう思ってくれるんだ。
父さんは家庭を守る人だったから、母さんはもちろん、俺や弟の事も大事に思ってくれてた。
俺もいつか父さんみたいになれたらって思ってるんだ。
…だから俺が大事に想う人を見つけたら、父さんの前で誓うって決めてた。」
「それって…。」
大概くんのその言葉にはとても重みを感じ、そんな大事な事に自分も関われているんだと思うと、言葉にできない思いが込み上げてきた。