愛ガ降る
「…今日はありがとう。」
「あたしこそありがとう。凄く楽しかった。」
「…今日言った事、俺は本気だから…。」
真剣な表情であたしを見るその目から、大概くんの気持ちが強く伝わってきた。
「…うん。」
その一言を言うのが精一杯だったあたしは、大概くんの目をまともに見ることができず、思わずうつむいてしまった。
…一瞬、観覧車の中の空気が微かに揺れ、同時に大概くんはあたしがすっぽり入ってしまうほどの大きな腕でぎゅっと抱きしめた。
びっくりした目の前には、大概くんの広い胸があり、その胸からはとても早い鼓動が振動で伝わってきた。
「…しばらく、このままでいさせて…。」
そう大概くんがつぶやいた。
最愛の彼に身も心も包み込まれ、あたしはこの2人だけの空間に感謝しながら、一生に何度とない幸せな時を過ごしていた。