愛ガ降る
観覧車の中はいつもとは違い、時の流れがゆっくりに感じ、長い間2人きりの時間を感じていた。
観覧車を降りると、大概くんは照れたままあたしの手をぎゅっと握りしめ、自分の横に引き寄せた。
お互いのブレスレットが重なり合うたび、2人の距離も近付いた。
帰りの電車の中では、疲れが一気に出てしまい座席に座った途端にウトウトと眠気がきた。
薄れていく意識の中で、再び大概くんの大きな腕に引き寄せられ、その肩に寄りかかった。
大概くんは大切なものを扱うように、着ていた上着を掛けながらそっと包み込んでくれた。
あたしは夢心地の中、その何気ない優しさに甘えていた。
最高の初デートになった。