愛ガ降る
「…大概くん…??」
「あずっ!!」
心配そうな表情だった大概くんは、あたしの顔を見るなり、手を握ったまま立ち上がった。
「…あたし…、どうしたの…??」
あたしはまだ状況がいまいち把握しきれていなかった。
すると、入口から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「…学校で倒れたの。
それで陸くんが一緒に救急車に乗って病院に来てくれたうえに、家まで連絡くれたんだから…。」
「…お母さんっ!」
声の先にはお母さんが立っていた。
「陸くんにちゃんとお礼言いなさい。」
そう言ったお母さんは、大概くんを穏やかな表情で見た。