愛ガ降る



水族館に到着すると、お父さんは再度確認するかのように言う。



「じゃあ、帰る時に連絡をして。
あずま、薬飲み忘れないように!
…それと、陸くん。あずまの調子が悪くなったらすぐに連絡を。」



「はい。」



大概くんは一言そう言うと、お父さんに頭を下げて見送った。



車が行ってしまうと、大概くんはあたしを見て満面の笑みを見せた。



「行こうっ!」



大概くんはいつものように、あたしの手を取りギュッと握ると、入口に向かい歩き出した。



あたしも大概くんの手をギュッと握り返した。



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