愛ガ降る
あんなに嫌だった手術なのに、今は自然と大丈夫と思え、気持ちはいつの間にか強くなっていた。
そう思えるようになったのは、すべて大概くんがそばにいてくれるおかげであった
手術室へ向かう前、大概くんはあたしの手を強く握りしめ“ずっとそばにいるから”と言い笑いかけてくれた。
その笑顔は、今までにないほどの穏やか表情であった。
あたしは大概くんのその笑顔に安心すると、意識が薄れていった。
意識のない中でも、あたしはずっと大概くんの愛情に包まれているような不思議な感覚を感じていた。
それは、なんとも言いようのない居心地の良い空間であった。