愛ガ降る
朝目覚めると、お母さんが病室の端の椅子に座り、うつむいている姿が目に入った。
「…お母…さん…?」
「…あずまっ!!」
お母さんはあたしの声に、びっくりしたような反応であった。
「大概くんは…?」
「…陸くんは…、ほらっ、学校でしょっ!!」
お母さんはそう言いながら、なんだか落ち着かない様子を見せた。
「今日、学校終わったら病院に来てくれるかなぁ~。早く大概くんに会いたいな…。」
あたしは大概くんとの写真を見ながら、再会を心待ちにした。