愛ガ降る
あたしは病室の窓を覗きながら、今日は来てほしいとの想いも込めて、大概くんの姿をさがしていた。
そんな中、ふと視線を下げた先には、病院に来たばかりのお父さんの姿が目に入ってきた。
久しぶりのお父さんの姿は、さっきまでの寂しさを少し和らげてくれたように感じさせた。
あたしはしばらくお父さんの事を病室で待っていたが、10分が経過してもお父さんが病室に入ってくる気配すら感じなかった。
あたしは、さっき確かに見たお父さんを捜しに、リハビリを兼ねて病室を出た。
エレベーターの所まで来ると、すぐそばにある待合室からお父さんとお母さんの声が聞こえてきた。