愛ガ降る
「あずまっ!!
落ち着きなさい!!
陸くんは、お前の回復を心から願っていたんだ!少しでも早く回復する事が、今お前に出来る事なんじゃないのか!!」
お父さんは、あたしの興奮を抑えるように声をあげて言った。
お父さんの強い口調は珍しく、その姿にあたしは少し落ち着きを取り戻した。
「…でも、大概くんがそばにいないと…。」
頭ではわかっていても、どうにも涙は止まらなかった。
そんなあたしに、お父さんはさっきまでの口調とは一変し、急に穏やかに話しだした。
「陸くんは、ちゃんとお前のそばにいるんじゃないのか。」
お父さんはそう言うと、2人で撮った写真や腕に付けていたブレスレット…そして、リングの入った箱を見せた。