愛ガ降る
病院に着くと、お父さんは正面玄関に車を停車した。
「お前は先に行って、早く陸くんに会ってきなさい。」
「…うん。」
お父さんから大概くんの病室の番号を聞くと、あたしは久しぶりに会う緊張感と心の準備が出来ていない焦りとの気持ちが入り混ざって、少し混乱していた。
そんな気持ちを引きずりながら、あたしはエレベーターで大概くんの病室がある5階まで上った。
無音のエレベーターの中は、緊張感をより高め、静かに開いたドアに誘われるゆうに、あたしはゆっくりと降りた。
病室を1つずつ回り、入口の名前を確かめるように長い廊下を歩いていった。
すると、廊下の突き当たりまで来た病室の入口に、探していた名前を見つけた。