愛ガ降る
ドアが開いた奥には、ベッドの上で点滴をしながら横になっている大概くんの姿が見えた。
あたしはゆっくりと大概くんに近づいた。
久しぶりに見た大概くんは少し痩せていたが、大きな事故の割にはそれほど目立った怪我もなく、ごく普通に眠っているかのように見えた。
そんな大概くんの姿を目の前にすると、目を覚まさない事よりも、今こうして生きていてくれた事に感謝し涙が溢れてきた。
「…大概…くん。」
本人にそう呼び掛けてみると、この1ヶ月弱の間、会いたくても会えなかった寂しさや再会出来た嬉しさなどの感情がぐちゃぐちゃになって、あたしは思わず大概くんに抱きついた。
どんなに会いたかったか…、あたしは伝えたかった。