愛ガ降る



大概くんのお母さんは、あたしの気持ちが落ち着いたタイミングを見計らい、封筒に入った手紙のような物を差し出した。



「…あずまさん、これを。」



あたしは、お母さんから差し出された手紙を受け取った。



「…これは?」



「陸から、あなた宛てに書いた手紙みたいです。
事故の時に、陸の持っていたバックに入っていたの…。多分、陸はこれを渡そうとあなたの病院に向かったんだと思うの。
…陸はあなたの事を、とても大切に想っているのね。そういう所は本当に父親にそっくりだわ。」



大概くんのお母さんは、そう言いながら何かを思い出したように、穏やかに笑った。



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