愛ガ降る



「そうだわ…あずまさん。
ちょっとだけ陸の事をお願いできるかしら。
少し出掛けたいのよ。ゆっくりしていってちょうだい。」



大概くんのお母さんは急にそう切り出すと、笑いながら病室を出て行った。



…もしかして、2人きりにしてくれた?
そういうところ、やっぱり大概くんのお母さんなんだな…と感じた。



あたしは2人きりになった静かな病室で、大概くんの事を再びじっと見つめた。



事故の前、大概くんは一体何をあたしに伝えたかったんだろう…。



そう思いながら椅子に座ると、手紙の中を開いてみた。



< 207 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop