愛ガ降る
「そうだわ…あずまさん。
ちょっとだけ陸の事をお願いできるかしら。
少し出掛けたいのよ。ゆっくりしていってちょうだい。」
大概くんのお母さんは急にそう切り出すと、笑いながら病室を出て行った。
…もしかして、2人きりにしてくれた?
そういうところ、やっぱり大概くんのお母さんなんだな…と感じた。
あたしは2人きりになった静かな病室で、大概くんの事を再びじっと見つめた。
事故の前、大概くんは一体何をあたしに伝えたかったんだろう…。
そう思いながら椅子に座ると、手紙の中を開いてみた。