愛ガ降る
「大概くんっ!!
外にいるなんて、どうしたのっ??」
あたしはそう言いながら大概くんに駆け寄ったが、大概くんは何も言わずただ笑顔で返した。
……??
今日の大概くん、なんだかいつもと違う感じが…?
そういえば、いつもはリハビリしやすいようにジャージを着ているのに、今日はジーンズ履いてるし…?
バックも持ってる…?
明らかにいつもとは違う雰囲気の大概くんに、あたしは疑問を感じていた。
「大概くん、どこかに出掛けたの?」
あたしがそう聞くと、大概くんは急にあたしの手を握り、病院とは逆方向へと手を引いたまま歩き始めた。
「2人でこれから出掛けよう!」
やっと口を開いた大概くんはそう言うと、あたしの手を離すことなく、病院の敷地を出てすぐのバス停へと向かった。