愛ガ降る
「…病院出て来ちゃっていいの?」
久しぶりに病院以外で2人きりになる状況に、正直嬉しさも感じていたが、やはり大概くんの体が心配だった。
「今日、退院したんだ。
母さんにはあずと出掛けるって言ってきたし、あずの両親にも、ちゃんと承諾済みだから。」
今までも何度か、大概くんの急な行動にびっくりさせられた経験はあったが、その久しぶりの行動にやっといつもの大概くんが帰ってきたと実感した。
「…あず?」
感動に浸ってぼーっとしていたあたしに、大概くんは不思議そうに下から覗き込んで言った。
あたしはとっさに大概くんの腕をぎゅっと強く掴んだ。
「大概くんと一緒なら、どこにでも行く!!」
大概くんは、あたしの行動にニコッと微笑むと、小さな子どもを相手にするかのように、優しく頭を撫でてくれた。