愛ガ降る



試合の約束をすると、ちょうど終業のベルが鳴り、大概くんは“またね”といってクラスへと続く渡り廊下を歩いて行った。



“またね”という言葉も、今まで自分の隣に座っていたのが大概くんだった事も、時間が経つにつれて現実味がなくなっていた。



あたしはしばらくその場から離れられず、記憶に残っている大概くんの姿を思い出し余韻に浸っていた。



「…なるほど。
だからアズ、戻ってくるのが遅かったんだね。」



ユウちゃんはジュースを飲みながら、話の一部始終を理解したように言った。



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