愛ガ降る



スタンド席の女子は、大概くんのガッツポーズに盛り上がった。



そんな周りの様子に、大概くんと視線が合ったように見えたのは、あたしの勘違いだったことに気付いた。



しかしそんなことよりも、この前の試合では落ち込んだ姿の大概くんしか見れなかったのに、今日は笑顔の大概くんが見れたことが何より嬉しかった。



ただそれだけの事なのに満足だった。



ユウちゃんに“勝ったよ”という報告のメールを入れて席を立ち振り返ると、目の前にはさっきまでフィールドを湧かせていた大概くんが立っていた。



「あれっ?
1人だったの??」



大概くんはあたしを見るなりそう言った。



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