はうす~Love HOUSE Life~

side 南

千景に触られたらもっと赤くなると思って、
千景の手を思わず払ったら
千景がこんなことを言ってきた。
「私のこと、嫌い…?」
なんでそんな不安そうな顔すんだよ…。
嫌いなわけねーじゃん。むしろ……
好きだし。
「嫌いじゃねーから。大丈夫ってこと伝えたかっただけ。不安にさせてごめんな?」
精一杯の笑顔で言うと、千景は嬉しそうに満面の笑みで
「うん!」
と言ってきた。
笑顔、負けた…。
あ、千景に言わねーと。
「千景、俺今日午後から仕事あるから帰り遅くなると思うし、先に寝といて。夕飯も食ってくるわ。」
そう言えば雑誌の撮影が入ってたんだよな。
夕飯、千景と一緒に食いたかったのに…。
井上(←南のマネージャー)、なんで今日仕事入れたんだよ!
「そっか…。わかった、先に寝てるね。仕事頑張ってね。」
千景は偽の笑顔でそう言った。
それが本当の千景の笑顔じゃねーくらいわかるっつの。
俺を誰だと思ってんだよ。
もしかして、寂しいとか思ってくれてんのか?
そうだと、すげー嬉しいんだけどな。
それから俺達は、ずっと無言のままで朝飯を食い終わった。
一緒に家を出て、俺は電車で通うから駅の方面へ、
千景は歩きで学校まで向かった。
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