男子校ファイター


「・・・。」
「えーっと。高野サンの席はそいつの隣ね。」
「…あ。はい。」

あたし等の会話の流れを止め、
あたしを席に誘導する相田先生。

「んぁ!!ズリィよ、真ーっ!」
「知らねーよ。」

先生によって会話は中断されたが…
いまだに黒崎のことを信用できないあたし。

なんでそんな奴があたしの執事をやるのか。
なんであたしに執事なんか付くのか。

…意味わかんねぇ。

「まいっかぁー♪俺も席ちけぇし☆」
「言っとけ」

さっきからワーワー騒いでるのが榛原樂(ハイバラガク)
それに冷たく接しているのが柊真(ヒイラギシン)

出席簿に書いてあった。

他の奴等が言うに、
この2人の温度差は100度。

別に、
仲が悪い訳でもなければ、
ボケとツッコミが成立しない訳でもないらしい。

ただ、
明るい太陽系な人気者と
黒いバラな人気者。

性格に大きな違いがあるだけだそう。

「よろしくねっ、輝ちゃん♪」
「ありがと。よろしくっ☆」

机に荷物を下ろしたあたしに、樂が声をかける。

右隣に柊。前に樂。

あたしを見るクラス全員が、
優しい笑顔であたしを見守った。

黒崎は相変わらずあたしの後ろでニコニコ笑ってて。

へんな奴に出会ってしまった…。
そう思った。

でも。
黒崎の存在は、
あたしの中で大きな者で。

みていると…。
なんだか落ち着けた。


「よろしくね。柊。」
「…ん。」


一体。
こんな奴と楽しく日々日常を楽しく過ごせるのだろうか。

きっと。
あたしが黒崎を頼る日も近いんだろうな。

そう思った。
奇跡な1日目だった。
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