男子校ファイター
ただ隣に居るだけなのに…
何でこんなにドキドキするんだろぉ。
握り締めたまま動かない拳
かたまってる表情
…どぉすればいいの!?
「…大分緊張してない?」
クスッと笑ってコッチを向く先輩。
「し…してませんよっ。」
「そっか(笑) 俺、樂の付いてくわ。ちょっとまっててね。」
「ぁ…はいっ」
そう言って先輩は部屋を出て行った。
リアルに恐いこの部屋。
完全に危ない秋先輩と
同じ匂いのする樂。
…これだから同室は。
あたしは3段ベットの中段で仰向けになってコレからを考える。
今はまだ春。
これから…
体育大会があって
水泳があって
文化祭があって
合唱コンクールがあって
林間学習があって…
大変すぎる。
「 お嬢様。」
「ぇ…あ。黒崎。」
部屋の入り口から声をかける黒崎。
…背が高い。
「青東神奇男子高校は一応執事が居ますが…現段階ではお嬢様にしか執事は付いておりません。」
話しながらもあたしにしっかりと視線を向ける黒崎。
…吸い込まれそうだ。
「そぉなんだ…。」
「ですから…私もお嬢様に付きっ切りと言うのは許されておりません。」
「…ふぅん」
「私はお嬢様のお呼びの時にお嬢様の元へ駆けつけます。いつでもお電話なさってください。」
「…分かった。」
「失礼致します。」
頭を下げ戻っていく黒崎。
…え。電話番号しらないんですけど。
「くっ…」
「失礼しましたお嬢様!!
携帯番号を言い忘れておりましたっ。」
あたしが部屋を出ると同時に
向こうから走ってきた黒崎。
…可愛すぎる(笑)