夏休み〜46日間の物語〜
私と彼
何ですか?この展開?
え…、ベタですか?
「誰?あんた。」
目の前にいる同い年くらいの男が話しかける。
それはそれは、嫌そうに。
「ここに住んでる、お婆ちゃんの孫ですけど。」
あたしは、ぶっきらぼうに答える。
「ふーん。そうなんだ。」
目の前の男は、玄関の前から離れようとしない。
「ねぇ、あたし家の中入りたいんだけど。てか…あんたこそ誰?」
「帰れよ。」
「は?」
会話が成立していないどころか、あたしの明日からの住む場所が失われようとしている。
「だから帰れ。俺はお前みたいな知らない女と一緒に住めねぇ!」
「はい?」
何ですって?
一緒に住む?
頭の中が混乱している。おばあちゃんの隠し子?いやいや、そんなわけない。