春夏秋冬、君を包む風が吹く。
何も言わないで。
こんなに苦しい気持ちは、初めてだ。
異動の内示。
日付は一週間後。
この業界ではよくあることだから、瞬間的に頭の中の切り替えを始める。
アパートの手続き。
引っ越し業者の手配。
初めてのことじゃないから、段取りはわかってるつもりだ。
「地元か。よかったんじゃないの?」
「向こう戻っても、頑張れよ」
仲間に声をかけられ、作り笑いで返事をする。
そう。
独り身の俺には、なんてことない出来事。
一週間後には、何事もなかったかのように、また日常が動き出す。
それが新しい場所になるだけの事。
……それで済むはずだったんだ。
「おはようございます」
顔をあげると、君の笑顔。
「……ああ、おはようございます」
いつもなら、ホッとする一瞬。
だけど。
泣きそうな顔しないでよ。
決心が鈍るから。
俺に何も言わないで。
気持ちを抑えるの、必死なんだ。
面倒な事になるから、誰も好きにならない。
そう決めてたのに。
いつのまにか君に惹かれてた。
どうする事もできなくて、ただ胸がしめつけられる。
こんなに苦しい気持ちは、初めてだ。
異動の内示。
日付は一週間後。
この業界ではよくあることだから、瞬間的に頭の中の切り替えを始める。
アパートの手続き。
引っ越し業者の手配。
初めてのことじゃないから、段取りはわかってるつもりだ。
「地元か。よかったんじゃないの?」
「向こう戻っても、頑張れよ」
仲間に声をかけられ、作り笑いで返事をする。
そう。
独り身の俺には、なんてことない出来事。
一週間後には、何事もなかったかのように、また日常が動き出す。
それが新しい場所になるだけの事。
……それで済むはずだったんだ。
「おはようございます」
顔をあげると、君の笑顔。
「……ああ、おはようございます」
いつもなら、ホッとする一瞬。
だけど。
泣きそうな顔しないでよ。
決心が鈍るから。
俺に何も言わないで。
気持ちを抑えるの、必死なんだ。
面倒な事になるから、誰も好きにならない。
そう決めてたのに。
いつのまにか君に惹かれてた。
どうする事もできなくて、ただ胸がしめつけられる。
こんなに苦しい気持ちは、初めてだ。