春夏秋冬、君を包む風が吹く。
紅雪。

風に舞う、色づいた葉の中に、君を見つけた。
紅の雪のように、舞い降りては、君を包む。


長い髪が揺れる。
静けさの中、乾いた音が耳をくすぐる。


ふと僕に気付いて、振り返る君は驚いて。
次の瞬間、柔らかな笑顔をくれる。



この一瞬だけでも。
僕だけの、君をくれる。



紅の雪は、強めの風に負けて、勢いを増して降り注ぎ。
今ここにいる、中途半端な僕たちを包む。


先に進むことのできない僕の背中を押すように。
その手に触れる勇気を。
その手を離さない強さを。
ひとひらの紅葉に、願いを込めて。


今までも、これからもずっと。
君のそばに、僕があり続けられますように。
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