春夏秋冬、君を包む風が吹く。
好きだったよ。
どうしようもないことってあるんだなあ。
重たい気持ちを吹っ切るように、わざと軽くつぶやく。
「わかってるんだけどさ、あきらめられないんだよな」
君のつぶやき。
痛いほどわかるよ。
君が想う相手には、決まった人がいる。
それを壊してまで、想いを告げるつもりはないんだ、って。
そう打ち明けられたあの日から、私の片想いも決定的になった。
この一方通行が、お互いに向かえばいいのにね。
そう願ってしまう私と、君とでは、ベクトルが違う。
忘れなきゃならない現実も、あきらめられない気持ちも、こんなに一緒なのに。
君のことが、好きだったよ。
そう、笑って言えるようになるまで。
あとどのくらいかかるかな。