ありえないだろ。
ガタタタッ!!

あたしと未来の間にあった机を思い切り未来の腹におしつけてやった。
未来は「ぐえっ」と唸って腹をおさえている。
その隙に!!

ガラッ


「あっ!テメー逃げんな!!」
「一生唸ってろ!馬鹿!!」


教室から飛び出たあたしは一直線に廊下を突っ走る。
後ろを振り向くと、もう未来が立ち直って追いかけてきていた。
…そうだ、忘れてた。未来は陸上部。
走りで勝てる相手じゃない。
どんどんどんどん迫ってくる・・・!!!


「あ」


一瞬頭に浮かんだあの場所。
そうだ、あそこがあった!

あたしは即座にそこに入った。


「お前っ!トイレは卑怯だろ!!」
「は!?普通にトイレするだけだし!」


よしよし、予想通り。
女子トイレに入ったのは正解だった。
未来はこういう所には恥ずかしくて入れないんだよね。


「アンタこれ以上入ったら本当に変態だからね??」
「うっ・・・。」


未来が入り口で突っ立っている。出たら即捕まる。
でも、あたしの後ろには・・・窓!!

ガラガラッ


「じゃ!」
「え?じゃってお前ここ2階―・・・!!」


未来が言い終える前に飛び降りた。
普通なら硬い地面に着陸失敗して骨折。だけどここは違う。


< 2 / 5 >

この作品をシェア

pagetop