ありえないだろ。
ボスッ


「ってて・・・さすがに2階からじゃ痛いなー。」


柔らかい感触。
そう。ここには花壇用の土が大量にためてあって、小さな山みたいになってたのだ。
だからクッションになってくれて、骨折もしない。

上を見上げると、男子トイレから顔を覗かせる未来がいた。


「お前ケチだな!!」
「だから約束してないって言ってんだろ!!馬鹿!!」


あたしがそう言うと未来は窓から姿を消した。
やっと諦めたみたい。
未来のしつこさには勝てないね、本当。



降りたばかりで腰が痛かったから、そのまま周りを見渡してみた。
バスケやサッカーで遊ぶ生徒がいっぱい。
中にはあたしが降りてきたことに驚いて唖然としている生徒も何人かいた。

・・・さてと、今教室戻ったら未来がうるさそうだし、適当にブラブラして戻ろ。


「オイ!!お前今どっから落ちてきた!?」
「え?」


声がして顔を上げると、男の人がこっちに向かって走ってきていた。
ゲッ!もしかして先生!?見られてた??逃げないと!!
あたしは急いで立ち上がろうとした。

ズボッ

・・・ん?
・・・え、ちょっ・・・嘘!?足が!!

足は完全に山にうもれていた。ってことで、動けない。
あぁ、来た・・・怒られる!!


「・・・お前何してんの?」

「え、や、足が埋まっちゃって・・・」

先生らしき男の人は、あたしの姿を間近で見た途端動きが止まった。
じーっと見てくる男の人、山の上に仁王立ちのあたし。

「アハハハハ!!!罰として放置!」
「えぇぇぇぇ???嘘!やだ助けて!!」



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