ありえないだろ。
男は1人笑いながらあたしを指差した。


「なぁ見ろよこいつ!!足うまっとるで!」
「ちょっ、声でかい!しかも関西弁!?」


こいつの一言でその辺にいた生徒が集まってきた。
最悪・・・!!何この男!!

サッと睨むと、まだ男は爆笑していた。
そこに来る来る生徒たち・・・!あ、アイツ笑ってる!!

恥ずかしい~・・・!!こいつ絶対先生じゃないな!
顔も高校生っぽいし。ってそれはどうでもよくて!
今この状況をどうすればいいの!?


「ま、麻希何やってんの??」


動けないので首だけを横に回して声の主を確かめた。
そこには飽きるほどいつも一緒にいる親友の姿が。


「っ!!美里助けて!」


あたしは涙目で必死に助けを求めた。
美里は急いで山に登り、あたしを引っ張る。
そのおかげでやっと脱出することができた。

ふと男を見た。まだ笑ってる。
ウザイ、ムカツク!


「麻希・・・大丈夫?」
「えっ!?」


ものっすごい形相で睨んでたのか、美里は少し怖がりながらあたしの顔をうかがった。


「あ、うん大丈夫。とりあえず教室戻ろうよ、恥ずかしいし。」
「アンタ本当何したの??すごい人集まってるよ・・・。」
「アイツのせい!!」


振り返って男を指差した。
男はニカッと無駄に爽やかな笑顔を見せてくる。


「死ね!!」


あたしはそう一言吐き捨てると、美里を引っ張り教室に戻った。










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