ありえないだろ。
廊下を歩いている間もあの時のみんなの視線と男の笑顔がちらつく。


「あーっもう!!何なのアイツ!誰!?」
「アイツって?」


美里は首をかしげながらあたしの服についた土をはらってくれていた。

この子、杉山美里(スギヤマ ミサト)は中学からずっと一緒の友達。
髪はゆるくウェーブがかかったふんわりセミロングで背は小さくて可愛い。
それにすっごく優しいから男女両方から人気がある。
美里はあたしの憧れだよ・・・。


「ホラ、あたしが埋まってた山のすぐそばで笑ってた男!!」
「んー・・・ごめん!あんまり覚えてないや・・・。」


たまにすれ違う生徒があたしを見て笑う。
ちくしょ・・・あの中にいたやつだな。


「何笑ってんの?こっち見んな腹立つ。」
「も~麻希!言葉使い悪いって!ごめんね~!」


あたしが笑った生徒にそう言うたびそう怒る美里。
しかも向こうに謝ってるし。


「謝らなくていいよ美里。悪いのはあいつらを呼んだあの男だもん。」
「だから、あの男って誰~!?」
「あたしもそれが知りたいの!!」


イライラ
イライラ
イライラ


「あ、麻希!」


イラッ

あたしを呼んだのは未来だった。


「・・・あー、今1番会いたくない奴が来た。」
「は?」
「まぁいいや。何?」


イライラはもうピークにきていた。
誰かも分からない奴にあんな恥かかされるなんて。
次会ったら足の脛思いっきり蹴ってやる!!かなりきくから。






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