君を想えば
「はぁぁぁ〜。」

大きなため息をついた勝也は、

「どーせお前と見ること出来ねーしな。」

と言い放ち、

私の部屋をあとにした。



「勝也!!」



どうして呼び止めちゃったんだろう…。

呼び止めた直後に後悔。


「あ?」

「いや…なんでもない。

おやすみ。」




シカトされた。

一緒の高校に行くことは約束したけど、

一緒に学祭の花火を見るのは約束してないし、

私は全然悪くない。



「………。」



昔の私達を思い出した。

そのベランダで、

アイス食べながら毎年眺めてた花火。

毎年一緒に。

だから勝也は、

今年も私と花火が見れると思ったのかも。





康介との距離は近くなったけど、

勝也との距離が離れていくような、

そんな気がしてたまらなかった。



勝也とは喧嘩ばっかりだけど、

私はいつも勝也を、

心のどこかで一番頼りにしているのは間違いなかった。

そんな勝也が私から離れていくのは、

やっぱりなんか嫌だった。




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