君を想えば
「明日からどんどん友達作らなきゃね!」

美夜子がまれにない意気込みを口にした。

「同感!!」

そして私も強い意思表明を美夜子にした。

「あっ。」

美夜子の足が止まった。

美夜子が指差す方向に、

見覚えのある姿。

玄関先に、

勝也が居た。


「ハルのこと待ってるよ?」

美夜子が少しニヤけながら私の顔をうかがった。

「なんなのあいつ。」

「じゃあまた明日ね!!」

「ちょっ…美夜子!!」

美夜子は風のようにその場を去り、

勝也は夜風のように冷たい視線を私に送った。

「なんで待ってんの?」

「別に。」

「あっそ。じゃあね。」

勝也を無視して帰ろうとする私は、

若干ヒドイ女かもしれない。



「ハル。」

ついて来る。

「ハール!」

まだついて来る。

「ブース!!!」

「はぁぁぁ!?」

「あっ、お前ブスで振り向いた。」

ガキかっっ!!



「勝也。」

「は?」

「勝也のクラスに可愛い子居る?」

「ん〜…居た!」

「じゃあさ、

告っちゃいなよ。」

「何言ってんのお前。」

「勝也なかなかのイケメンだし、

絶対うまくいくと思うよ。」



お願いだからうまくいって私から離れて。

そんな願いが込められている。
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