さよなら異邦人
「あの頃のあなたは、作家を夢見てて、私は……」
「私は、どうした?」
「何でもない」
「言い掛けて口を閉ざすのが、昔からの癖だな」
「そう?」
「ああ。お前はいつもそうだった。今と同じようにぼそっと呟いて、こっちがその先を聞くと決まって、何でもない、だ」
「ふうん。割かし私の事をちゃんと見てくれているのね」
「そりゃあ何年も連れ添っていればだな、」
「他に私の事で知っている事は?」
「急にどうした?今までそんな事を改まって聞いた事なんて無いお前が」
「聞いた事が無いから、今聞いてみたいの」
「変な奴だ」
「私が今、何に熱中しているか、あなた知ってる?」
妻が熱中しているもの……
ダイエットではなさそうだ。少なくとも、今の体型を見れば。
買い物…と呼べる程、私は稼いで上げていない。
旅行も当然、同じ理由。
韓流ドラマ?
そうだ、そうに違いない。いつぞやそんな話を近所の奥さん連中としていた。
その事を伝えると、妻はちょっと哀しそうな顔をした。
「私は、どうした?」
「何でもない」
「言い掛けて口を閉ざすのが、昔からの癖だな」
「そう?」
「ああ。お前はいつもそうだった。今と同じようにぼそっと呟いて、こっちがその先を聞くと決まって、何でもない、だ」
「ふうん。割かし私の事をちゃんと見てくれているのね」
「そりゃあ何年も連れ添っていればだな、」
「他に私の事で知っている事は?」
「急にどうした?今までそんな事を改まって聞いた事なんて無いお前が」
「聞いた事が無いから、今聞いてみたいの」
「変な奴だ」
「私が今、何に熱中しているか、あなた知ってる?」
妻が熱中しているもの……
ダイエットではなさそうだ。少なくとも、今の体型を見れば。
買い物…と呼べる程、私は稼いで上げていない。
旅行も当然、同じ理由。
韓流ドラマ?
そうだ、そうに違いない。いつぞやそんな話を近所の奥さん連中としていた。
その事を伝えると、妻はちょっと哀しそうな顔をした。