さよなら異邦人
 それから十日ばかり過ぎた。


 一時期程の高揚感は薄れ、冷静な気持ちになって自分の作品を読み返してみた。


 我ながら、青いな……


 まあ、青春がテーマだから、そうなるか……


 子供達の批評は相変わらず手厳しかった。


「最後まで書けたって事で、星五つサービスしてやるよ」


「何だ、サービスなのか」


「その代わり、小遣い上げてくれよ」


「なら、アタシも星五つ上げる。なんだったら、十個位付けようか?」


 とんでもない奴等だ。


 子供達がそれぞれの部屋へ戻り、居間でのんびりとテレビを観ていると、妻が手に何かを持って私の前に座った。


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