さよなら異邦人
「でも何だよね、加瀬って、ちょっと違うよね」
「改まって何だよ。それ、褒め言葉か?」
「アタシにしては最大級の褒め言葉のつもりなんだけど」
「なら許す。で、どう違う?」
「ボーっとしてる……」
「やっぱ褒めてないじゃん」
「加瀬の場合は、いいボーっとなの」
「何だそれ」
「加瀬と一緒に居ると、何も考えなくていいんだ。あんたのボーっとし具合が、安心出来るっていうか。他の男子ってさ、うざったい位にギラついてんじゃん。なんか、いかにもどーよ!みたいな。でも、加瀬は全然そういうとこ無いし」
「人によっちゃ、俺みたいなもんは物足りないって言うぞ」
「言わせとけば。みんな見る目が無いんだよ」
「まるで自分はあるみたいじゃん」
「先見の明には自信有り!」
「俺は先物買いって事?」
「大器晩成って言葉があるじゃん。加瀬は、もう少し自分に自信を持ってもいいんだよ」
「自信ねえ……」
何に自信を持てばいいのか……
それにしても、里佳子が僕の事をそういうふうに見ていたとは、全然気付かなかった。
「改まって何だよ。それ、褒め言葉か?」
「アタシにしては最大級の褒め言葉のつもりなんだけど」
「なら許す。で、どう違う?」
「ボーっとしてる……」
「やっぱ褒めてないじゃん」
「加瀬の場合は、いいボーっとなの」
「何だそれ」
「加瀬と一緒に居ると、何も考えなくていいんだ。あんたのボーっとし具合が、安心出来るっていうか。他の男子ってさ、うざったい位にギラついてんじゃん。なんか、いかにもどーよ!みたいな。でも、加瀬は全然そういうとこ無いし」
「人によっちゃ、俺みたいなもんは物足りないって言うぞ」
「言わせとけば。みんな見る目が無いんだよ」
「まるで自分はあるみたいじゃん」
「先見の明には自信有り!」
「俺は先物買いって事?」
「大器晩成って言葉があるじゃん。加瀬は、もう少し自分に自信を持ってもいいんだよ」
「自信ねえ……」
何に自信を持てばいいのか……
それにしても、里佳子が僕の事をそういうふうに見ていたとは、全然気付かなかった。