さよなら異邦人
海岸線を走る江ノ電から見える湘南の海は、太陽の光りを浴びてキラキラと輝いていた。
レトロな電車がホームに停まった。
国道を挟んだ向うに、海が一面に広がっていた。
鎌倉海岸だ。
車内放送で、ここが『鎌倉高校前』という駅だと知った。
「ここだよ!」
いきなり里佳子は立ち上がり、発車寸前の車両から降りた。
僕達の他に降りた何人かの乗客は、地元の制服とは違う里佳子と僕を見て、何処の生徒だろうという視線を寄越した。
里佳子は、暫くホームから動かず、じっと海を眺めていた。
僕は少し離れた場所から、気持ち良さそうに潮風を嗅いでいる里佳子を見ていた。
「加瀬、もっとこっち来てよ」
「お前、ここ来た事あんの?」
「初めて。でもね、前から一度来たいと思っていたんだ」
「ふ~ん……」
「ふ~んって、あんた、もう少しまともなリアクションないの?」
頬を膨らまして僕を睨んだ里佳子は、今まで見た彼女の表情の中で、一番可愛く思えた。
レトロな電車がホームに停まった。
国道を挟んだ向うに、海が一面に広がっていた。
鎌倉海岸だ。
車内放送で、ここが『鎌倉高校前』という駅だと知った。
「ここだよ!」
いきなり里佳子は立ち上がり、発車寸前の車両から降りた。
僕達の他に降りた何人かの乗客は、地元の制服とは違う里佳子と僕を見て、何処の生徒だろうという視線を寄越した。
里佳子は、暫くホームから動かず、じっと海を眺めていた。
僕は少し離れた場所から、気持ち良さそうに潮風を嗅いでいる里佳子を見ていた。
「加瀬、もっとこっち来てよ」
「お前、ここ来た事あんの?」
「初めて。でもね、前から一度来たいと思っていたんだ」
「ふ~ん……」
「ふ~んって、あんた、もう少しまともなリアクションないの?」
頬を膨らまして僕を睨んだ里佳子は、今まで見た彼女の表情の中で、一番可愛く思えた。