no drug no future
サクラの仕事場ではメイくんは結構上の立場。

そんな人に否定的な態度を取れる訳が無い。

何より本人がいる前で意見することは難しい。

二人はそれを狙っていたに違いない。

そして人見知りな私の性格も踏まえた上での計画的犯行。(笑)

何よりこういう軽い奴は信用性が無くて私は好かん・・・。

癒真くんがバンドに新しく加入するということは他人に娘をやる感覚だ。

だって少なからず私にだって金銭面的負担が来る訳だし、そのメンバーとの時間が私といる時間を減らす訳だし。

それに癒真くんは他人に影響されやすい。

悪く言えば染まりやすいっていうのかな。

そんなことを考えているうちに、私は嫁入り前の娘を渡すオヤジの気持ちになっていた。

だからチャラついた気持ちでバンドしている奴になんて癒真くんを渡すわけにはいかない。

第一、しゃべり方を聞いても頭のネジが一本、いや、3本ほど外れているのが分かる。

25歳の常識ある男の話し方ではない。

まぁ、まだメイくんがどういう意気込みで、どれだけバンドを本気なのかが分からない。

それと、他のメンバーも見ないと判断しかねる。

よし。こうなったらこの場を借りて、メイくんをこっちが面接してやろう!



リスカをしている人間は私の周りに万といるし、私もしていた時期があったから驚きはしない。

ただ、その傷に紛れて腕に針後(注射)らしきものもあったような気がした・・・。

でも、それは気のせいではない事が後日分かる。

そしてそれが私の運命を大きく代えることになる。

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