=キング of ビースト=3
…ーーピアス。
とても綺麗なデザインで、輪っか型。金色でトラストとアルファベットで穴が開いてあり、横には小さなシルバーストーンが埋め込まれてあった。
でもなんでピアスー…?
ふと思った疑問を璃人さんに聞く。
「どうしてピアスだったんですか?私の耳に穴があるってなんで知ってるんですか?」
だって、私の耳に穴が開いてるって知ってる人は居ないと思ってたからーー…
普段はピアスをつけないし、髪は常に下ろしている。
「ん~志音の願いだったから…。」
「え?」
「志音の願いだったの。」
「…。」
もう、意味が分からないー…
「志音が開けたんでしょう?由莉ちゃんの耳に穴を。」
「…はい。」
「その事を志音から聞いたのー…。その時に由莉ちゃんにピアスをあげたいって言ってたから。」
「…。」
「由莉ちゃんは耳に一度もピアスを入れた事ないんじゃない?」
「はい。一応。」
穴を空けた時、お兄ちゃんと約束をしていたのだ。
『俺が由莉に第一号目のピアス買ってやるよ。それまではピアスつけんなよ。』
『はいはい。分かったから。』
とーーー……。
果たされる事のなかった約束だが、私は今までその約束を守っていた。普段は透明ピンをつけて。
今はしっかりと穴が出来ているから、透明ピンをつけていないが、塞がらないようにたまに透明ピンを付けている。