=キング of ビースト=3




そのまま倉庫に行くことはなく、車はマンションに着いた。


私は目を覚ましてから、ずっと夜琉のマンションに居座っていて。


一度は家に帰ろうとしたが夜琉がそれを許すはずがなく


「お前が自分の家に帰るんなら、俺がお前んちに行く。だいたいここはもうお前んち何だから何も遠慮する事はない。」


そうきっぱり言うと私に合い鍵を渡して来た。


私はそれが無償に嬉しくて。結局夜琉のマンションに住んで居るのだ。





手を繋いで入った部屋はやっぱり夜琉の匂いがする。


夜琉は私をソファーに座らせるとキッチンに消えた。

すぐ戻って来た夜琉の手には氷が入った袋が握られていて


「目。」


と短く口にした後私の隣に座って私の肩を引いた。


夜琉の予想だにしない行動に呆気なく私は倒れて。


夜琉の顔が私の上にあった。


「~~っ!!」


…膝枕されてる。


そう理解した瞬間顔に血が昇るのが分かって。


「ふっ」


と笑った夜琉を見た刹那、目にひんやりとした感触がして視界が暗くなかった。



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