=キング of ビースト=3
普通に1人でボケーッとしたり、公園にいる子供達と一緒に遊んだりした。
直ぐに帰るつもりだった散歩は、いつの間にかやたらと時間が経っていて。
昼過ぎに倉庫を出たのに、気づけばもう夕方。
一緒に遊んでいた子供達とばいばいをして倉庫に戻ると、入り口前には無表情の夜琉が煙草を吸って塀になんかかっていた。
珍しい。
最近はゆうゆうの為に煙草は吸って居なかったのに。
そう思って夜琉に話し掛ける。
「ゆうゆうどうかしたの?」
「…。」
苛々した様子の夜琉は何も答えなかったが、絶対ゆうゆうがらみだろう。
じゃなきゃ夜琉は苛々すらしないはずだ。
夜琉の感情が面に出ることはゆうゆうの事以外にない。
すると芯さんの運転する車が夜琉の目の前に止まって。
夜琉はそのまま俺の方を見向きもせずにベンツに乗り込む。
ちょっとぐらい俺を見てくれてもいいのにーー…。
そう思ってしまうのはきっと寂しいから。