=キング of ビースト=3




「でもその頃は全くそんな優しさ夜琉は持ってなかったらしくてー…だから凄い事だったらしい。」


「夜琉が紅雨を気にかけた事が?」


「そうだよ。」


「へぇー。」



ゆうゆうはちょっとビックリしているようだった。
きっと夜琉がそんなに酷い人だったと知らなかったんだろう。


「それから、さ。」


「うん。」


「家に戻ったんだ。父さんと話がしたくて…。」


「どうだった?って聞かなくても分かるような気がする。」


「うん。ゆうゆうの考えている事が当たってる。」


「やっぱり?」


「うん。俺家に2年近く帰ってなかったんだ…。」


「そんなにー…。」


「家に帰ったら…飯が置いてあってー…」


ダメだ…。
声が震えるー…。

あの瞬間を思い出すと涙がこぼれ落ちそうになるーー…。




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