=キング of ビースト=3
「本当よ。」
千佳は笑みを消して真剣な表情で言った。
「だから、怖いー…。捕まえて置けないから、怖いの。お願い、由莉はどこにも行かないで…っ!!」
「…っっ!!!」
どんだけ千佳は私の事を思ってくれて居るのだろうか。
私が眠っていたあの2週間、千佳はどれだけ辛い思いをしたのだろう?
だからちゃんと伝えなくてはいけない、私の想いを。
「千佳、私はどこにも行かないから。お兄ちゃんの分まで長くこの世界にいるから。
絶対…生きるから、千佳のそばにいる。だから…泣かないで?」
顔を歪めて、辛そうに泣く千佳を見ると私も泣きそうになる。
「っ泣いてなんかないわよ!!」
と強く言った後、制服の裾で涙を強引に拭っていた。
「パフェ、溶けてるよ。」
「ぁあ!!私のパフェがっ!!由莉どうしてくれるの!!」
「知らない。」
涙を止めた千佳は直ぐに笑いだして、溶けたパフェを頬張っていた。