=キング of ビースト=3
亮が由莉を助けにいってくれる。
そう思ったら安心感が出てきて、気が遠くなっていく。
それでも、由莉の無事だけは確認したくて、
下の方から聞こえる声に耳をそばだてた。
「ぉい!!由莉ッ!!大丈夫か!?」
必死に亮が声をかけるが由莉はなかなか返事をしてくれなくて。
また涙が出てくる。
お願い…私から由莉を奪わないで…ッ
もう誰も失ないたくないの…
そう思っては怖くなる。
「頼むッ、返事しろょ!!」
「…。」
「由莉ッ!!」
「…り、ょう……」
由莉の掠れた力のない小さな囁き声が聞こえた時、私は意識を飛ばした。
「ー…よかった!!先生呼んでくるから待ってろッ」