=キング of ビースト=3
職員室に着くと直ぐに保険医が由莉の元へ向かい、救急車が呼ばれた。
職員室に由莉の事を知らせた俺は、携帯を片手に取りだし
『夜琉さんッ!!』
直ぐに夜琉さんの携帯に連絡を入れた。
『すいませんッ!!由莉が―…』
そこで言葉を切ってしまった俺。
『早く言え。』
そう言われても何て言ったらいいかわからなくて。
由莉が階段から落ちました?
それとも
救急車で運ばれます?
どっちにしても夜琉さんはキレそうで。
意識を失うぐらいおもいっきり強く階段を落ちたということは、誰かに突き落とされたしか考えられないから。
もっとヤバイ事になりそうで。
それでも
『亮。』
有無を言えない口調に
『由莉が…階段から落ちて…今から救急車が来ます‥。』
口を開いてしまった。
すると夜琉さんはもう携帯を耳から話したようで、
ツーツー
と電話を切られた。
電話が切られる寸前、
『ちっ!!璃玖ッ直ぐに芯呼べッ!!華月に行く』
そう、怒声が聞こえたのは嘘だと思いたい―…。
夜琉さんが怒声をあげる程の事態で、夜琉さんも直ぐに分かったのだろう。
誰かに突き落とされた、という事を――――…