=キング of ビースト=3
「俺が知ってるのは由莉の親友から聞いた情報で3年の女、ってことだけ。」
『華月の3年の女…それだけ分かれば十分だよ。ありがとう。』
「いや、夜琉さんどうしてる?」
『ぁあ、今は恐ろしいくらいに大人しいよ。由莉ちゃんの運ばれた病院に芯さんといる。』
「そっか…、由莉はどうだったか聞いてるか?」
『いや…まだ検査から帰ってきてないらしい。』
「無事だといいけど…。じゃあ犯人分かったらまた連絡して貰っていいか?」
『勿論だよ、じゃあね亮。』
「璃玖も頑張れよ。」
切られた携帯からは虚しい機械音しかしなくて、自分の気持ちを表しているようだった。
でも一番辛いのは俺じゃないんだ。
そう自分に言い聞かせて、今自分ができる事を全力でしようと思った。
あの璃玖に情報が全く上がってこない、まだ犯人を特定するのに時間はかかるだろう。
それまでは……
千佳を見とかないと。
犯人が分かり次第、俺も動き始めようと決めた………‥。