=キング of ビースト=3


正直由莉さんも心配だが、夜琉も心配で。

由莉さんが入院したら夜琉はまたきっと食べなくなって、寝れなくなる。


もう、あんな夜琉は見たくないーー…


けど夜琉は


「いや、連れて帰らない。」


由莉さんを入院させておく事を決めていた。


「…は?」


「…今由莉を連れて帰っても、着いていてやることが出来ない。」


「…。」


「…ーそれに由莉は知らなくていい。犯人がどうなるかなんて。」


夜琉は目を伏せた。


結局のところ、本当の理由はそれなのだろう。

自分が犯人を潰している姿を見せられない、いや見せたくないからーー…。


入院していたら、由莉さんは何も知ることなく何事もなかったかのように生活できる。


でもそれはーー…


「夜琉。」


………ーー違うだろ?



「あ?」


「確かに由莉さんは何も知らないまま過ごせるのかもしれないー…。でも、それが本当に由莉さんの為になるとおもってんのか?


お前はこれからさき由莉さんにその事を隠しながら生きていくのか?」


「ー…。」


「後ろめたくなって、後悔するのはお前だそ。

由莉さんは夜琉なら全て受け入れてくれるはずだ。」



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