=キング of ビースト=3



俺は目の前にいる陽斗の肩に頭を乗せた。


「わりぃ、な。こんな姿見せちまって。」


「構いません。若はいつでも俺を頼って下さい。」


「………俺が一番心配していた肩の荷がおりたよ。」


「荷だなんて思ってなかったのでしょう。」


「…ーそうだな。」


しばらくの間俺はこのままだった。

涙は溢れないものの、想いは溢れていた。


ーーーーーーー


「じゃあ、気をつけろよ。」


「大丈夫ですよ。」


「頭によろしく言っといてくれ。」


「はい。若に次会うときを楽しみにしときますよ。」


「ふ。じゃあな。」


そう短い挨拶をして病院の駐車場で陽斗と別れた。


あの後すぐに陽斗は組から呼び出しをくらい、そんな陽斗を見送る為に病院の駐車場に来たのだった。


陽斗を見送った後の駐車場ではもう、日が傾き始めていた。


しばらくその日を見つめていたが、足を返し病院に入ろうとした時


ーー……迷惑な爆音が聞こえた。


それは病院に近づいてきて、仕方なく振り返る。



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