=キング of ビースト=3


「…芯さん。」


少し冷静さを取り戻した弘樹は小さく笑いながら


「ー…犯人もバカですよね。




狼那連合、関東を敵に回すなんて……。」


と呟いた。

その様子を見ているだけの俺に

「作戦がたったんです。」


今後の事を話してくれた。


那妃が由莉さんだということを、噂で流す事。
噂を流す為にいま、璃玖と南月が華月に行っていること。
明日犯人を追い詰める事。


全てを聞き終わったとき


「夜琉は知ってるか?」


「ー…璃玖が連絡入れてます。」


俺の出番がなかった事、決着が着く事に安堵し息を吐いた。



「じゃ俺はこれで帰ります。」

「夜琉に会っていかなくていいのか?」


「会う必要はありません。俺は夜琉を信じています。」


「そうかよ、じゃな。」


そう言って去っていった弘樹を見送りながら、今度こそ院内に入って行った。


ーーーーーーー


「では、連れて帰るということでいいですね。」


「はい。」


「絶対安静にして、また1週間後いらして下さい。明日の11時頃退院の手続きを完了致しますので。」


「また明日来ます。」


弘樹と別れた後、医者に由莉さんを連れて帰る事を言い、病室に向かった。



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