=キング of ビースト=3
「自分の身体だから、ある程度の事は分かりました。そうなってしまったのは、気にしてません。」
「…。」
「…ーー誰のせいでもないんです。私を突き落とした人でも、私を守ると言っていた人でも、あのとき私の側にいた千佳でもない。」
「…。」
「ただ、打ち方が悪かっただけ。
それだけなんだと思います。」
本当に強い方ーーー…。
取り乱す訳でもなく、誰かのせいにする訳でもなく、ただ純粋に事実を受け入れているんだ
「だから、夜琉も気にしないで?」
「…。」
「どうしても気になるなら、さっき言ったでしょう?
……ー傷モノにした責任とって、一生離さないでって。」
「…。」
「…ーーそれで許してあげる。」
ニコッと笑った由莉さんに夜琉はただ由莉さんの手を優しく包み
「…ああ。」
と答えた。
「俺は先に帰らせて貰うが、夜琉はどうする?」
「……ー行く。倉庫寄れ。」
「じゃあ、由莉さん明日。」
「さよなら。」
先に病室を出て、横の壁に背を預け夜琉が出てくるのを待つ。
しばらくして出てきた夜琉の斜め後ろを歩いて病院を出た。
さぁ、明日ーーー……
………………事のけりはつく。